応募者はここまで見ていた! 応募数が増え、辞退数を減少させる3つのチェックポイント
前回は、ローカル採用における5つのステップを紹介しました。今回はブランドに一番関わるであろう、ステップ1の「職場イメージの向上」について、引き続き日比谷さんに伺っていきましょう。
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職場イメージ維持の基礎 QCSのおさらい
--- 「職場のイメージ向上」というと一見当たり前に思えてしまったのですが、どうしてこれが一番重要なのでしょうか?
確かに一見当たり前です。
しかし、実は「当たり前のことを当たり前に行う」ことは難しく、
徹底出来ているお店は多くないものです。
ここでいう「職場イメージ」とは、
接客・サービス業に携わる方なら1度は聞いたことのあるQSCのことを主に指しています。
念のためおさらいをすると、
Q=クオリティー
提供する商品の品質を指します。レストランであれば料理、アパレルであれば服です。
整体など、サービス自体が商品なのであれば、そのサービス自体が商品となります。
S=サービス
商品の提供方法を指します。
企業により提供商品・サービスは異なりますが、
共通するのは、お客様を想う姿勢が必要であることです。
どんなに美味しい料理でも「ガシャン!」と皿を置くようなお店にまた来たいとは思えません。
ましてや、スタッフとして働くなんて思いつきもしないのではないでしょうか。
先にあった整体などサービス自体が商品であれば、ここでいうサービスは、整体など商品としてご提供している部分以外のサービスを指します。
C=クリンネス
店内の掃除が行き届いており、スタッフも明るい表情で楽しそうに働いていることが必要です。
クリンネスを直訳すると「清潔さ」ですが、ここでご留意頂きたいのは、
①「店内全体の掃除が行き届いている」という文字通りの清潔さ と、
②「スタッフが不安そうだったり、だらしなく働いている様子がなく、明るい雰囲気を醸し出している」という心の清潔さ
の両方が必要である、という点です。
この2つが欠けている暗く、重い雰囲気のお店で働きたいとは誰も思わないですよね。
意外と多い「応募前の下見」 職場イメージの影響範囲とは
--- 「当たり前のことを当たり前に行うこと」は難しい・・・なんだか深いですね。おっしゃる通り、「飲食店なんだからキレイで当たり前だろう」と思って入ったお店がすごく汚れていると驚きます。
どれだけ魅力的な値引きキャンペーンを行っていても、
QSCの基本ができていないと、誰もそのお店を選びません。
これは客としても、求職者としても同じです。
恐らく誰もがわかっていることなのですが、普段忙しくしていると、売上向上や応募獲得の為、
「手っ取り早さ」を優先させてしまうんですよね。「キャンペーンを打てばいいや」「求人広告を出せばいいや」等と。
それらがダメだとは言わないのですが、基本・土台が整っていない状態で行っても、効率が悪くなりますので、非常にもったいないなと思います。
求職者は店舗のQSCにも気を配っていると申し上げましたが、
何%くらいの方が、職場を下見にきていると思いますか?
--- え!職場の雰囲気などは求人広告に記載されていて、そこで分かるようになっているはずなので、わざわざ下見をする人は少ないのではないでしょうか・・・。2割くらいでしょうか。
実は、 その倍 なんです。
パーソル総合研究所と立教大学の中原教授が行った調査によると、
43.1%の方が、『応募前』に下見 しています。
こちらの数字は、下見のつもりなく、顧客として利用した回数は除いています。
1.顧客体験中に「応募したい雰囲気の職場か」を見ている。
2.下見を目的とし、職場としてふさわしいかという目線で改めて顧客として利用しにくる。
3.面接へ進んだら、今度はお店の内部を直接見て・感じて・判断する。
選んでいるのは自分たちのつもりで、お店は少なくとも3回も求職者に「選考」されているんです。
このうちどこか1点でも「汚いな」「雰囲気悪そう」と思われてしまったら、離脱に繋がります。
応募しない、面接には行ったけど入社はしない、等ですね。
最悪のケース、口コミサイトやSNSにネガティブな口コミを投稿され、お店の評判が落ちてしまいます。
--- こう見るとかなり影響範囲が広いですね。顧客が応募者となりうること、求職者の方が応募前に下見に来ることはわかりました。具体的には、どのようなポイントに気を付ければよいでしょうか?
応募率を向上し、辞退率を減少させる3つのチェックポイント
--- では、4つの基本ステップと、それに含まれる施策について、簡単にご紹介願えますでしょうか。
ポイント1.従業員
身だしなみと言動です。スタッフの働きぶりによって醸し出される雰囲気をよく観察してください。日常、従業員同士がどんな言葉づかいで会話をしているのか改めて確認することも重要です。
ポイント2.見える職場環境
文字通り、レジ周りや客席など見える部分の職場環境です。ゴミ箱やトイレなどは特に念入りに清掃が必要です。店長や先輩がどのような口調で指示をしたり、教えているのか?重要なポイントです。
ポイント3.見えない職場環境
従業員や近所の顧客から発信される評判やうわさなどの見えない部分を指します。
3つのポイントのうち一番影響が大きいにも関わらず、見えないがため「発見が遅れる」「情報発信源が突き止められない」「何をどう改善すればいいのか」が変わりづらく、解決までに時間がかかる部分でもあります。
しかし③が最も本質的ともいえますので、
店長・現場リーダーの方々には、ぜひ根気よく向き合って頂きたいと思います。
--- ありがとうございます。③が本質的かも、とおっしゃっていましたが、確かに自分の職場が好きな従業員がたくさんいれば、お客様へのサービスも笑顔あふれるものになるでしょうし、清掃にも力が入りますよね。
従業員満足度の向上は、きっと売上や採用にも大きく影響するんでしょうね。
その通りです。良いチームでしか良いサービスは提供できない。
良いチームだからこそ良い人を呼び寄せることができる、と考えています。
まとめ
今回は、ローカル採用における5つのステップのうち、
1つ目の「職場イメージ向上」を実現するための3つのポイントについてお話しを伺いました。
確認すべきポイントは、
1.従業員 2.見える職場環境 3.見えない職場環境 |
の3つになります。
職場のイメージをよくすることが、採用におけるスタートラインになることはご理解いただけたかと思います。
とはいえ、「すぐに人が欲しいというときにはどうすればいいの?」と感じられている読者の方もいらっしゃるかと思います。
次回は、具体的な採用アクション(ステップ2 友人紹介~)についてお話しいただきますので、乞うご期待ください!