【2020年9月】POSデータ分析レポート ~飲食店の4業種・24ジャンル別売上動向を調査~

 執筆: Sync Up  更新 2023/06/09 17:42:37

クラウド型モバイルPOSレジの「POS+(ポスタス)」を提供するポスタス株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:本田 興一)は、毎月発表している飲食店のPOSデータ調査結果に加え、2020年6月から8月のコロナ禍の飲食店における4業種・24ジャンル別の売上動向についての調査発表をしています。リリース全文はこちらをお読みください。

 

POS+(ポスタス)では、2020年4月から計4回の調査レポートを通して、コロナ禍での飲食店全体の売上推移を発表していますが、今回は飲食店を4つの業種・24のジャンルに細分化し、それぞれの売上動向について調査しています。調査手法等はこちらから確認ください。

 

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目次

・「食事系」業種で回復が見られるも、居酒屋の回復遅れている

・帝国データバンク発表の上場企業売上傾向も同様

・調査から見られる回復の早い飲食店

・月次比較 - エリアによる差が顕著に表れた

・週次比較 - 独自の緊急事態宣言、営業自粛要請の影響は?

 

「食事系」業種で回復が見られるも、居酒屋の回復遅れている


 

すべての業種で、6月から7月にかけて売上が上昇し、7月から8月にかけて下降する動きを見せた。

8月の時点で最も売上が回復しているのは「食事系」の業種で昨対比71%、逆に回復が遅れているのは「居酒屋」の業種で昨対比52%に留まっており、業種の中では唯一全体平均を下回っている。

「居酒屋」の業種は7月から8月の落ち込み幅が-12ポイントで、業種の中で1番下がり幅が大きかった。8月に入ってから全国で感染者数が増加し、主要都市各地で独自の緊急事態宣言や飲食店への営業自粛要請が発令された影響を受けたと考えられる。

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<6~8月 飲食店の4業種別昨対比の比較>

 

 

 

 

帝国データバンク発表の上場企業売上傾向も同様


 

上記に関連し、帝国データバンク発表による「上場企業(外食産業)の月次売上高動向調査」(2020年7月分)でも、コロナ禍での居酒屋業態の苦戦は続いていることは示されていた。東京都や大阪府での酒類を提供する飲食店などに営業時間の短縮要請、沖縄県や愛知県では独自の緊急事態宣言が発出されるなど、特に居酒屋を運営する事業者は対応が求められたことの影響が言及されている。

 

上場企業(外食産業)の月次売上高動向調査(2020年7月分)
9割以上で減少幅縮小、回復基調で推移 ~ 居酒屋業態の苦戦続く ~https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p200807.html

 

 

 

調査から見られる回復の早い飲食店の共通項


 

客単価が1,000円前後

「食事系」に分類される「カレー」、「そば・うどん」、「ラーメン」などの客単価が1,000円台前後のジャンルは昨対比が高い。1人での利用がメインで利用客の滞在時間が短かいため感染リスクが低減されること、日常的によく利用されるジャンルであることが要因と考えられる。

 

専門料理は2極化

「専門料理」に分類されるジャンルは、回復傾向が2極化している。回復上位のジャンルは「焼肉」、「寿司」、「お好み焼き」などで、利用客が各々で食べるため感染リスクが低減されること、家族で食事に行く場合に選ばれやすいジャンルであることが要因と考えられる。また、テイクアウトしやすい料理であることも回復に一役買っているのではないかと推察される。

 

居酒屋・しゃぶしゃぶは回復が鈍い

「専門料理」の中で回復が鈍いジャンルには、「居酒屋」、「しゃぶしゃぶ」、「その他西洋料理」、「沖縄料理」などが挙がっている。「居酒屋」は営業時間自粛要請の影響が大きい。「しゃぶしゃぶ」は複数人で同じ鍋をつつくイメージがあり、「その他西洋料理」は大皿から取り分けて食べるイメージがあるため、各々で食べられる料理に比べると利用客が躊躇しているのではないかと推察される。

 

沖縄料理は全業種の平均以下

「沖縄料理」は6月と8月が全業種の平均を下回った。対象店舗の58%が沖縄県に集中しており、コロナ禍での観光客減少や8月の感染者数拡大が売上に影響した。また、「沖縄料理」は例年夏に売上を伸ばす傾向があり、それが昨対比の落ち込みにつながっている。

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月次比較 - エリアによる差が顕著に表れた


 

7月:売上昨対64% 客数昨対63%

全体の昨対比は6月に比べて7ポイント良化。「GO TO トラベル」キャンペーンの開始週は昨対比68%まで回復したが、その後一気に感染が拡大した影響で最終週には55%まで悪化。エリア別で見ると、関東地方のみが全国平均を割る結果で昨対比59%、全国平均差-5%となった。

 

8月:売上昨対61% 客数昨対62%

全体の昨対比は7月に比べて3ポイント悪化。前月と比較するとエリアによって差が顕著に表れた月だった。エリア別で見ると、九州・沖縄地方と中部地方の落ち込みが大きく、前月差はそれぞ-15%、-12%となっている。逆に、北海道地方と関東地方は感染者数の増加にも関わらず前月からは微増となった。

 

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<売上昨年同月対比 エリア別>

 

 

週次比較 - 独自の緊急事態宣言、営業自粛要請の影響は?


 

売上週次推移 エリア別

8/3に全国の1日あたり感染者数が過去最多の1,983人を記録。主要都市各地で独自の緊急事態宣言や飲食店への営業自粛要請が発令された。全体の昨対比は56%、九州・沖縄地方は46%まで落ち込んだ。

8/10週はお盆休みの効果が表れ、再びプラスの推移となった。全体の昨対比は66%、関東地方は68%で3月の自粛要請以降、最も良い回復状況であった。その他、近畿地方や中部地方といった主要都市で売上が伸長した。

8/17週はお盆明けの影響で一時的に売上が下降したが、全体で見るとその後は緩やかに回復している。

8/31週に九州・沖縄地方と四国地方の売上推移が下がっているが、これは台風10号の影響を受けたものと思われる。

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