2023年最新版|無断キャンセル増加中!飲食店の予防方法と対策サービス【7選】

 執筆: Sync Up  更新 2023/06/09 17:25:30

 近年話題になることの多い飲食店の予約無断キャンセル(ノーショウ)問題。 被害を防ぐためには、 事前の電話確認など基本的な対策を行うことはもちろん、 最近では無断キャンセル向けの保証や、 アプリなどWEBによる各種サービスも増えてきています。 トラブル・訴訟を避けるためにも、 無断キャンセルの対策をきちんと検討する必要があるといえます。

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目次

 

 

飲食店の無断キャンセル増加中!頭を悩ます無断キャンセル

 飲食店にとって売上を上げていくためには、お店の席を無駄なく埋めながら、効率的にお客を入れ替えて回していくことが重要です。その一方で、予約したにもかかわらず店に来ない “無断キャンセル問題” に頭を悩ませている飲食店が非常に多くなっています。


筆者の知人の飲食店でも無断キャンセルは頻繁に起こっているようで、特に昨年の年末には「忘年会で65名の予約が入ってお店も貸し切りにして準備して待っていたのに、客が来なくて幹事にも連絡がつかない。」「食材はなんとか他に使えたけど、3分の1くらいは廃棄してしまった。」「アルバイトも多めにシフトに入れていたので、人件費も無駄になってしまって参ったよ。」と落胆していました。

 

 最近は客のドタキャンを嘆く声はSNSの投稿でも見かけるようになりましたよね。仕込んだ食材が無駄になるだけではなく、他のお客様の食事の機会を奪うことにも繋がってしまい、こういった事態は飲食店経営者を悩ませる、かなり深刻な問題と言えます。

 

筆者の実家も飲食店を長年営んでいるのですが、祖父母が運営していた時代は無断キャンセルなど殆どなく、今から20~30年前にお店を運営していた人からすると「しっかりお客さんをつかまえてないからこうなるんだ!」と思うこともあるようですが、今の時代は予約の仕組みや人の流れも変化しているため、100%防ぐことはできないと考えています(客単価や立地により客層も変わるため、頻度の大小はあると思いますが)。

 

無断キャンセル自体は、インターネットのグルメサイトが普及し始めた15年ほど前から出てきており、SNSの普及やスマホ社会になった、ここ5年で一気に加速した印象を受けます。

 

 

無断キャンセルの被害と実態「背景にはグルメサイト・SNSの普及?」

 こうした “無断キャンセル時” に利用していた予約手段は、「グルメサイトでの予約」が最も多く、無断キャンセルしたことがある人は20~30代が多い傾向にあります。利便性も高く気軽なため、飲食店集客の大きな武器になる一方で、こういった無断キャンセルも増え続けている背景があります。

 

なんとキャンセル額は年間1兆円以上!

 経済産業省が社会問題化している無断キャンセルの実態調査を行った際のレポート発表しています。
これによると、無断キャンセルが飲食業界全体に与えている損害金額は、年間およそ2千億円。さらに、2日前までに申し出のあったキャンセルまで含めると、予約キャンセルによる飲食業界の被害総額は1兆6000億円にものぼると言われています。またキャンセル発生率も全体の6%を占めており、社会問題と言わざるを得ない状況です。

経済産業省:『No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート』

 

なぜ減らない?無断キャンセルの理由は?

 対策を行うにあたり、まずは「なぜ無断キャンセルをするのか?」客が無断キャンセルをしてしまう理由について見ていきましょう。

 

【キャンセル理由TOP3】

1位 とりあえず場所を確保するために予約

 

2位 人気店なのでとりあえず予約

 

3位 予約したことをうっかり忘れていた


 人気店だから予約したい気持ちはわかりますが、無断でキャンセルされてしまっては、お店にも他のお客様にも迷惑ですよね。以前は電話をすると「忘れていた」と言われたり、「忙しいんだから電話するな!」と逆に怒られてしまうことはありましたが、基本的には繋がることが多い傾向にありました。

 

しかし最近では、電話をしても出てもらえないケースや、着信拒否をされることも多いようです。
また、近年のSNS発達により、婚活・合コン・オフ会などが盛んに行われていることも背景のひとつとして挙げられます。

 

例えば、4-4の合コンの場合、幹事は8人のスケジュール調整、世間の話題性、相手の好みをリサーチし、お店を予約する必要があります。しかし実際に幹事が初対面の人の好みを把握するのは難しく、良いお店を予約しようと考え、落ち着いた雰囲気、盛り上がるお店、話題のイタリアンなど、複数のシチュエーションのお店を同時に予約します。当日が近づいて好みや人数が確定してきた段階でお店を絞り、当日になったら電話一本でキャンセルといった流れです。 (また人数も流動的で、場合によっては直前になり中止といったケースも充分にあり得ます。)


この場合、飲み会メンバーにとっては良い幹事ではありますが、お店側からしたら困りものですよね。数日前から食材を仕入れて準備を整えているのに、電話一本で予約を取り消されては商売上がったりです。


 このように、ドタキャンは複数のお店を確保しておきたい幹事の都合や、人気店なので人数が確定する前にとりあえずポチッと予約して、(割と簡単に予約できたので)行けない場合もついついキャンセル連絡を忘れてしまっていた。というケースが殆どです。

※引用元:【2019年版】第3回「飲食店の無断キャンセルに関する消費者意識調査」

 

 

無断キャンセルの予防と対策

無断キャンセルが発生しないように予防策を取る

 基本的な施策となりますが、徹底した確認を行うことです。電話確認だけでは平日日中は仕事で出られない方も多くいるため、SNSで確認する仕組みと併用するのが良いでしょう。例えば、ネットで予約確定後に、予約前日や当日朝に自動でメッセージが届くように設定します。この際に不安な予約者に対しては電話連絡も行う。これにより「キャンセルするのをうっかり忘れていた!」という層の無断キャンセルを削減することが出来るでしょう。


その他、予約時にペイパルなどで前金を支払ってもらう手段もあります。客単価が高いコース料理のお店などは導入してみると効果的だと思います。この場合、キャンセルになっても返金しないのが一般的です。コンサートや映画館では当たり前ですよね。意外なことに、クレームやトラブルになることはほとんどないのが現状です。

 

無断キャンセルが発生してしまった場合に損失を補填する

 前述の対策で “無意識な無断キャンセル” は抑止することが可能となりますが、次に飲み会幹事がよく行う “悪質な無断キャンセル” への対応方法です。

 

無意識な無断キャンセルとは違い、こちらは件数自体少ないものの意図的に行っている可能性が高いため発生することを未然に防ぐのは難しいです。こういった万が一の事態に備え、無断キャンセルをされた店舗が被る被害を保証してくれるサービスや、弁護士を使いキャンセルが発生すると代金回収を代行してくれるサービスも登場しています。

 

さまざまなサービスが登場し、泣き寝入りをしなくてもよくなりつつありますので、自身のお店に合った策をとり備えておきましょう。次は具体的なサービスのご紹介です。

 

 

おすすめ!無断キャンセル対策サービス7選

 

無断キャンセル予防サービス

1. SUBLINE(サブライン)

https://www.subline.jp/sp/01/

SUBLINEは無断キャンセル防止のために、予約専用番号を作ることができるサービスです。新しく「050」で始まる電話番号を用意し、予約の連絡を一本化します。月額利用料金も月300円と格安なので気軽に試すことができ、録音機能が付いているため、「○○と伝えたのに」というお客様との認識の違いをしっかりと確認することが可能です。万が一裁判に発展した際も重要な証拠として残しておくことができます。

 

無断キャンセル後の保証サービス

2. No Show保証サービス

https://gardia.jp/news/201903/cancel/Gardia株式会社が運営する「No Show保証サービス」は、無断キャンセルされたお店の被害を保証してくれます。規模にもよりますが、一般的な飲食店なら月5000円程度で月額20万円までサポートしてくれるため安心です。

 

3. ノーキャンドットコム


初期費用は無料。無断キャンセルが発生すると、代行してお客様に代金を回収してくれるサービスです。手数料も30%と手頃なことから利用店舗も増加中で、現在277店舗が利用。2019年7月~2020年4月22日現在までのキャンセル回収依頼は360件、回収金額は953万4193円となっております。(2020/4/22現在)


 

4. トレタペイメント/トレタお見舞金サービス


飲食店向け予約・顧客台帳サービス「トレタ」が、契約者向けに提供しているサービスです。「トレタペイメント」はホテルや航空会社のように予約時に預り金を受付け、キャンセル時はそこからキャンセル料を差し引くシステムです。「トレタお見舞金サービス」は、このトレタペイメントの “当日キャンセル料を10,000円以上に設定した予約が無断キャンセルになった場合”、または “火災や水漏れなどにより店舗が予約を取り消さなければならなくなった場合” に、トレタから10,000円のお見舞金が支払われます。

 


5. TableCheck
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テーブルソリューションが利用者に無料提供するオンラインクレジット決済機能です。予約時にクレジットカード決済を行う「事前決済型」と、予約時にカード情報の入力のみを必須とする「与信(仮押さえ)型」の2パターンがあり、サービス利用者であれば、初期導入費・月額固定費なしで利用できる上に “確実なキャンセル料の回収” と “本当に利用する意思がある顧客” のみを選別できるというメリットがあります。ただし、日本では飲食店でデポジットを押さえたり、与信チェックをする習慣が根付いていないため、予約客にネガティブな印象を与える恐れもあります。
https://www.tablesolution.com/

 

食材ロスの防止サービス

 6. TABETE


TABETEはフードシェアリングサービスです。無断キャンセルなどで食材が余っている場合は、ページ内で値段と引き取り時間を指定すると、TABETEのアプリをダウンロードしているユーザーが時間になったらお店に来店し、捨てられるはずの料理を引き取ってくれます。これにより、無断キャンセルで捨てるはずだった料理を捨てることなく、食材ロスを抑えることが出来ます。また、ユーザーは格安で食料を手に入れる事ができるため、お互いにとってメリットがあります。

 


7. フードバンク


フードバンクとは、食品製造メーカーや、農家、飲食店、個人などから、まだ十分食べられるにも関わらず様々な理由で廃棄される食品を引き取り、食に困っている人たちの元に届ける活動のことを指します。現在、世界中で作られている食べ物の1/3が廃棄されています。 無断キャンセルが起きて大量に余った食材を破棄するのは飲食店の皆様にとっても心苦しいことだと思いますので、もし賞味期限に余裕はあるが廃棄せざるを得ない場合には、フードバンクに寄付してみると良いでしょう。(賞味期限が1か月以上のものという制約はあります)

 

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まとめ:無断キャンセル増加!飲食店の予防方法と対策

無断キャンセル対策には、以下の4点を意識した対策を心掛けましょう!


・ 
予約確認を徹底する

・ お客様がキャンセル連絡しやすい仕組みづくり

・ キャンセルポリシー、キャンセル料を明確化し定める

・ 預り金・事前決済制度の導入



 利益率が低い飲食店舗の運営はただでさえ難しいです。シフト管理や原価率の計算、新商品開発に、食べログなどのグルメサイト対策にインスタグラムの活用と、最近では飲食店を取り巻く環境も激変しています。色々な方法を試行錯誤しながら、ギリギリの状態で頑張っているときに無断キャンセルやドタキャンが起こってしまっては、お店にとっては大打撃ですよね。特に新規店にとっては売上がゼロになる無断キャンセルは死活問題になり兼ねません。


しかし近年では、こうした無断キャンセルに対して新しい流れが生まれてきているため、発生を未然に防ぐ以外にも、発生後の対策をとることで売上減や食材ロスの損害を抑えることが可能になりました。快適な店舗経営のためにも、色々な角度から対策を検討し、柔軟な対応を心掛けましょう!

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