夏は注意が必要!飲食店がテイクアウトで気をつけるべき食中毒予防。3原則を守って適切な提供を。

 執筆: Sync Up  更新 2023/06/09 17:53:15

 今年は新型コロナウィルスの影響で、店内飲食だけの営業ではなくテイクアウトやデリバリー販売を始めたお店は多くあると思います。

気温も湿度も上がる夏本番のさなかに、これから特に気をつけたいのが食中毒の発生リスクです。ただでさえこの時期は食材も傷みやすく、菌が増殖しやすい条件が揃っています。
お客様へ安全な食生活を提供するために、食中毒になりやすいリスクをしっかりと理解し、下記のポイントに気を付けて予防をしましょう。


 

そもそも食中毒って?


 

食中毒とは、食中毒の原因となる細菌・ウイルス・寄生虫や有毒な物質が付着したり、含まれる食べ物を食べることによって、下痢・嘔吐、腹痛や発熱などの症状をひき起こす病気のことを指します。その原因により、食べてから症状が出るまでの時間や症状が異なります。

出典:農林水産省:食中毒の原因と種類

 

代表的な最近の一例

▼サルモネラ菌
十分に加熱していない卵・肉・魚などが原因となります。

半熟卵やレアな肉などはテイクアウト・デリバリーでは提供を控えましょう。

▼黄色ブドウ球菌
ヒトの皮膚や口の中にいる菌です。
特に手の傷や手荒れの部分には、通常よりも多くの黄色ブドウ球菌が存在する可能性が高いです。
加熱した後に手作業をする食べ物が原因となります。

食材に素手で触れないように、使い捨て手袋の着用や、お箸やトングを使用することが望ましいです。

 

 

 

飲食店が実施すべき食中毒への予防


 

テイクアウトでは飲食店内での飲食よりも利用者が飲食するまでに時間がかかります。
子どもやお年寄りなどの抵抗力の弱い人が食中毒になると重症化する恐れがあります。
しっかりと予防するために3つの原則とそれぞれの対処方法についてご紹介します!

 

 

食中毒予防の3原則

 

1,付けない

まずは細菌を「付けない」ことが一番重要です!
食品や調理器具に、細菌などの原因が付かなければ増殖することもありません。

 

1-a,手洗い

手洗いは基本的かつ重要な予防法です。手にはさまざまな菌やウイルスが付着しています。
特に、下記のような場合にはハンドソープを使って手洗いしましょう。

・調理をはじめる前
・肉や魚や卵などの生ものを取り扱う前後
・食事の前
・トイレの後

ハンドソープを使い2回洗うとなおも効果的です。

 

1-b,使い捨て手袋の着用

手指に傷がある場合は、使い捨ての手袋を使用しましょう。黄色ブドウ球菌の原因となります。

 

1-c,調理器具の使い分け

まな板や調理器具は原材料ごとに使い分けましょう。
肉や魚、卵に使用した調理器具で生の野菜などの加熱せずに食べる食品に使ってしまうと、
細菌が移り食中毒の原因となります。

 

1-d,密閉保存

肉や魚を保存する際には、汁が他の食品に付かないように密閉容器に保存するか、袋を二重にするなど注意しましょう。

 

 

2,増やさない

食べ物に付いた細菌が増えないように保存することが重要です。

 

2-a,適切な温度管理

食中毒菌を増やさないためには、
最も増殖する温度(約20度〜50度)に置かれる時間が極力短くなるようにすることが重要です。

10度以下では増殖がゆっくりになり、マイナス15度以下では増殖が停止します。
冷たいまま提供するものは10度以下、温かいまま提供するものは65度以上で保存しましょう。
温かいものと冷たいものを同じ容器に詰めることも、菌が増えやすい状態を作ってしまいます。
小分けをして、持ち帰り時に保冷剤を使用する、保冷・保温ボックスを用いて配達などをしましょう。

 

 

3,やっつける

細菌やウイルスを除去、死滅させることです。

 

3-a,よく加熱する

細菌をやっつけるには、加熱することが最も有効です。
肉や魚は中心までしっかりと火が通るように加熱しましょう。
中心温度で75度で1分以上(ノロウイルスは85度〜90度で90秒以上が必要)加熱しましょう。
肉は中心まで赤みはなくなり、肉汁が透明になると火が通った目安です。

 

3-b,調理器具も清潔に

肉や魚・卵を使用し包丁・まな板・お箸などの調理器具は洗剤で洗ってから消毒をしましょう。
消毒方法は熱湯をかけるか、塩素系漂白剤を使用することがおすすめです。

 

etc,早くお召し上がりいただくよう注意喚起を!

受け渡し時に購入後には早めに食べるよう促したり、注意喚起のシールを貼付したり、
お客さまへ情報提供しましょう。調理後、2時間以内に食べていただくことを目安としています。
厚生労働省から出されているリーフレットもご参考にしてみてください!

 

 

 

 

まとめ


 

テイクアウト・デリバリー販売がますます盛んになっています。
お客様に安心・安全に料理を提供できるように、必要な食中毒予防のポイントをご紹介しました。

 

飲食店内での食事の提供よりもテイクアウト・デリバリー販売の場合、食べるまでの時間が長くなり、食中毒のリスクは増大します。気温や湿度があがる梅雨の時期や夏場にかけて食中毒のリスクがさらに高まりますので、これからの季節は特に注意が必要です。

 

お店を営業していくうえで、上記でご紹介したような内容に限らず、普段は食品を扱わないスタッフが厨房に入る際など、いつもと同じオペレーションではない業務が急に発生したり、注意すべきシチュエーションは多々あります。

 


お店全体で食中毒予防に対する知識を再認識させ、これからテイクアウトをはじめるお店も、十分に準備をしましょう。

 

人気の記事

新規CTA