アルバイトの労働基準法をわかりやすく解説!
この記事では、誰でも理解できるように労働基準法をわかりやすく解説しています。近年は、労働基準法の改正により「バイトトラブル」が注目されがちです。
あまりにもヒドい労働条件を強いている店舗などは、SNSなどで炎上して閉店に追い込まれるケースもあります。「ブラックバイト」と言われないためにも確認しておきましょう。
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この記事を読んでわかること |
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目次
そもそも労働基準法とは?
労働基準法っていったい何?
労働基準法とは、労働条件の最低基準を定める法律のことです。
アルバイトと合意の上でも、労働基準法を下回る契約を結ぶことは認められていません。
労働基準法は、以下の13章+付則で構成されています。
アルバイトを雇用している人は、労働基準法を理解してルールに則った労働条件を提示する必要があります。
「1日8時間まで」がアルバイト雇用の大原則
突発的に忙しくなったときなどは、アルバイトに残業をお願いしたくなりますよね。
しかし、原則として1日の労働時間は「8時間まで」と決められています。
雇用側は「1日8時間以上」もしくは、「週に40時間以上」アルバイトを働かせてはならない、と定められています。法定労働時間を超えて労働させる場合、あらかじめ労働組合と使用者で書面による36協定を締結する必要がございます。
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人件費のことを考えると、なるべく「1日8時間」「週に40時間」の基準を考慮してシフトを作成した方がいいでしょう。
また、6時間以上の勤務には必ず休憩時間を与えることも定められています。
勤務時間が6〜8時間であれば45分以上、8時間以上であれば1時間以上の休憩時間が必要です。
アルバイトでも有給を取得できる
多くの人が勘違いしていますが、アルバイトでも有給休暇は取得できます。
有給を取得できる条件は、以下の通りです。
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上記2点をクリアしていれば、雇用形態に関係なく、有給を取得する権利が発生します。
有給は基準を満たしている全員に与えられる権利で、アルバイトだからといって、有給申請を無視することは許されません。
事前に有給を申請しているなら、許可していなくても給料を支払う義務が発生します。
もしトラブルに発展した場合には、30万円以下の罰金が課せられるので、注意しておきましょう。
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トラブルになりがちなアルバイトの労働条件
労働基準法という法律が定められていますが、正しく運用していない会社も存在しています。
しかし、「知らなかった」では済まされないのが法律です。
この章では特にトラブルが多い項目を紹介していきます。
アルバイトに気持ちよく働いてもらうために、自分の店舗の労働条件と比較してみてください。
勤怠管理が適切に行われているか
適切な勤怠管理はアルバイト雇用において「最重要項目」です。
タイムカードを切るタイミングや残業代の説明、休憩時間など、アルバイトが勘違いしないように、あらかじめルールを細かく決めておきましょう。
特に勤務時間はアルバイトの給料に直結する項目なので、トラブルに発展しやすいです。
「誰が」「いつ」「何時から何時まで」勤務しているのかは、しっかりと把握しておく必要があります。給料を増やそうとして休憩時間を短く申請していたり、遅刻を無かったことにするなど、「アルバイト側の不正」にも注意しておきましょう。
最低賃金を下回っていないか
アルバイトに支払う給料は契約によって異なりますが、都道府県ごとに「最低賃金」が定められています。いかなる場合においても、最低賃金を下回ることは許されません。「研修だから」「能力が低いから」などの理由があっても、最低賃金以上の給料を支払う義務があります。
また、「賃金の支払いの5原則」というルールも知っておきましょう。
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- 通貨で
- 全額を
- 労働者に直接
- 毎月1回以上
- 一定の期日に
支払わなければなりません。
※各都道府県の最低賃金はコチラから確認できます。
18歳未満のアルバイトの労働時間
原則として、18歳未満の人を22時以降は働かせてはいけません。
法律上では、22時から翌日5時までの時間を「深夜労働」と定めています。
本人の意思とは関係なく法律で決まっているので、18歳未満のアルバイトを雇う際には注意しておきましょう。また、「時間外労働」や「休日出勤」も禁止されています。
トラブルを回避する3つのポイント
アルバイトとのトラブルには、さまざまな種類や原因があり、1つの対策で、すべてを防ぐことは不可能です。まずは雇用側が労働基準法を理解することが重要ですが、それ以外にも未然にトラブルを防ぐ方法はあります。
最後にアルバイトとのトラブルを回避するための対策や対処を紹介していきます。
1.雇用契約書の作成と説明
当たり前ですが、雇用契約書の作成は必須です。
雇用契約書の作成内容は、労働基準法によって以下のように決まっています。
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これに加えて、パートタイム労働法により以下の記載も必要です。
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上記8つの項目を、契約前に説明しておきましょう。
しっかりと説明して雇用側もアルバイト側も、納得した上で契約を結ぶことが重要です。
もしトラブルに発展しても、労働基準法を下回った内容でなければ問題ありません。
2.試用期間を設ける
「試用期間」とは、正式な採用を決める前に「お試し」で雇用契約を結ぶことです。
実際に業務をおこなうことで、応募者の能力や勤務態度を知れるなど、雇用側に大きなメリットがあります。
アルバイト側のメリットは、「仕事に見合った給料なのか」「勤務時間は適切なのか」などのリアルな労働条件を知れることです。お互いが納得した場合のみ、継続して働くことになるので、トラブルのリスクを最小限に抑えることができます。
3.厚生労働省「総合労働相談コーナー」に相談する
これらの対策をおこなっても、必ずトラブルが起こらないとは限りません。
アルバイト側は労働基準法をはじめとした、多くの法律によって守られていますが、雇用側がしっかりとルールを守っていれば心配無用です。
もしアルバイトと問題が発生したら、全国の労働局や労働基準監督署などにある「総合労働相談コーナー」に相談することをおすすめします。
あらゆる分野の労働問題を対象としており、相談は無料です。
また、「いじめ」などのアルバイト同士の問題にも専門の相談員が対応してくれます。
※総合労働相談コーナーについてはコチラから調べられます。
まとめ:定期的に労働条件をチェックしよう!
アルバイトの雇用には、さまざまな法律上のルールがあります。
法律に則って管理しているつもりでも、勘違いやミスにより「違法な労働条件」になっているかもしれません。
基本的には労働基準法を守っていれば問題ありませんが、もしトラブルに発展した場合は、可能な限り迅速かつ適切な対応が求められます。
本当にあなたのお店は「労働基準法を守っている!」と胸を張って言えますか?
少しでも不安になった人は、いますぐにアルバイトの労働条件を見直すことをおすすめします。