アルバイトのモチベーションを維持するために必要なことは?
アルバイトにモチベーション高く働いて欲しい、と思うことはありますよね。せっかく仕事を教えてもモチベーションが低ければ真剣に仕事に取り組んでくれません。
ではどのようにアルバイトのモチベーションを向上・維持させればいいのでしょうか?この記事ではモチベーションを向上・維持させるためのコミュニケーションや評価についてご説明します!
関連記事 > 「アルバイトが辞めない職場」はどうつくる?基本的なポイントとは
関連記事 > 店舗の売上に直結!アルバイト育成 大全集!!
アルバイトのやる気・モチベーションを維持するための4つのポイント
アルバイトのモチベーションを上げるにもいろいろな方法がありますよね。4つのポイントとして、「明日からすぐできる」ことに重点を追いてご紹介します!
1. 段階に合わせて1つずつ覚えてもらう
作業がおぼつかない段階で、「それをお客様と会話しながらやって」といっても無理があります。1つずつ確実に覚えてもらい、余裕ができたら、次に進みましょう。
もちろん育成マニュアルに沿って教えることも重要ですが、覚える速さや得意な仕事は人それぞれですよね。教えたから大丈夫、ではなく「何かわからないことはある?」というように仕事への理解度を確認しながら次のステップに移るように心がけましょう。
2. やる気のあるときにいろいろ吸収してもらう
できることが増えると自信がつきますので、やる気があるアルバイトには、どんどん技術を教えます。しかし、逆にやる気がないときに色々教えても、効率的に覚えてもらうことはできません。色々教えて早く一人前になってほしい気持ちは分かりますが、ここはぐっと待ちましょう。
また、出勤時には積極的に声を掛けてみたり、スタッフひとりひとりをよく観察して、モチベーションが高いときか、低いときかをキチンと見極めてから教えることも大切です。
3. 存在を認める+感謝の気持ちを伝える
ライトな声かけで相手の存在を認め、よい行いに対して褒めることでやる気を引き出すテクニックです。やる気を引き出し、自主的な成長を促すためにはまず最初に行うべきことは、「相手の存在を認めること」です。
相手の存在を認めるというのは、「おはようございます」「お疲れ様です」「また明日よろしくお願いします」など挨拶、声かけをするところからスタートします。
「褒める」というのは「一定の条件を満たしたことに対する称賛」であるのに対し「相手の存在を認める」ことは存在そのものを肯定することなので、いつでも何度でも気軽にできる、ハードルの低いことなのです。存在を認めてもらうことで不安もなくなり「ここで働いて大丈夫なんだ」と安心して仕事ができます。
その後、声かけに慣れてきたら徐々に「いてくれてすごく戦力になって助かる。ありがとう。」という「存在していることに感謝する気持ち」を伝えましょう。安心して仕事に取り組んでもらって、やる気を引き出すためにはまずは相手の存在を認めることから始めましょう。
4. アルバイトに期待する
やる気を引き出すもう一つは「期待すること」です。アルバイトに対してどういうことを期待しているのか、どんなスタッフになってほしいかということを明確に伝えることがポイントです。
人は周りの期待に応えようとするなかで成長していきます。そのアルバイトのキャラクター、経験、役割、業務内容に応じて要望を伝えてみましょう。
ただし、過度な期待や理不尽な期待を押し付けることは、かえってプレッシャーになりえますし「期待に答えられなかったら叱責する」というのは逆効果になりますので、その点には注意しましょう。
存在を認めること、期待すること、共に難しいことではありませんが、意識して行ったことがない場合は慣れるまでに時間がかかる可能性はあります。
アルバイトを評価する制度・環境も重要
「頑張ってやってるのに、だれも認めてくれない。まともに評価してもらえない。」など、こうなると当然の結果として、アルバイトのモチベーションは下がり「頑張っても意味がない。」という雰囲気がお店全体に広がってしまいます。
人は認められたい・褒められたいという、承認欲求が強い生き物。前述したように、こまめに褒めること、フィードバックすることが重要です。
しかし、店長個人のマネジメント力だけでのモチベーション維持には限界があります。マネジメントも店長により得手不得手がありますから、誰が店長になっても一定のモチベーションを維持することができるようになるためには、評価制度の導入が効果的です。
また、仕事の評価を給与に反映させる制度をつくることも有効です。この際は「公平な評価」を行うことに注意しましょう。アルバイトは、わずか10円の時給の差にも敏感なものです。「あの人が優遇されてる」と感じるアルバイトがいると、お店全体の空気が悪くなることもあります。
成績順位法
評価要素ごとに序列化し、被考課者の順位を決める方法。例えば、「接客態度」なら、Aさんが1位、Bさんが2位、Cさんが3位、「作業の正確さ」ならBさんが1位、Cさんが2位、Aさんが3位というという具合に評価していく方法です。
人物比較法
被考課者の中から標準的人物を選定し、その人物と比較して評価する方法。例えば、Aさんを標準的なアルバイトとした場合に、BさんはAさんに比べてどうか?Cさんはどうか?と評価していく手法ですが、誰を標準とするかの判断が難しく、またアルバイトの人数が少ない場合にはあまり向かない手法と言えます。
成績評語法
区分した評価段階に、優、良、可、あるいは、S、A、B、Cなどの評語を付し、これを基準に被考課者の成績を評価する手法。比較的多くの職場で用いられている手法ですが、評価を付すに当たり、予め、明確な評価基準(何をSとするか、何をAとするか)を設定しておく必要があります。
評定尺度法 (レーダーチャート)
効果要素毎に段階的評価基準を示す5段階程度の目盛りを設け、考課者が該当する目盛りをチェックしていく手法。視覚に訴える点で直感的に理解しやすい反面、考課者の作為性が混入しやすいといった欠点があります。基本的な考え方としては「成績評語法」に似ています。
プロブスト法
人間の行動や態度を100項目程度用意し、考課者の自信の持てる項目のみをチェックしていく評価手法。例えば、「元気に挨拶ができる」、「目標にこだわる」、「他のアルバイトに信頼されている」など、思いつくまま無作為に列挙し、被考課者が当てはまる項目にだけチェックをしていき、チェックされた項目に基づいて評価していくやり方ですが、項目を挙げるのが大変なのと、それぞれの項目にどうウエイトを付けるかという判断が難しい為、あまり一般的ではありません。
実際には、上記に挙げるような評価方法を幾つか組み合わせて独自の評価制度を作っている例も多く見受けられます。それぞれにメリット、デメリットがありますので、それぞれの特徴を知った上で、自店に合った納得のいく評価制度を作りあげてください。
アルバイトともキャリアや目標について対話を!
ただ指示を与えて、働いて給料をもらう。それでいいアルバイトもいれば働くからには経験やキャリアを積みたいと考えるアルバイトもいます。そんなときにはどのような方法で目標を立ててもらったり、対話をすれば良いのでしょうか。
自己申告制度
アルバイト自身に、自己の才能、能力、適性、希望職位などを申告させ、管理者がアルバイトの要望や欲求を加味して人事管理上の評価・調整を行う制度です。
目標管理制度
アルバイト別に毎年その年度の目標を設定し(設定させ)、年度末にその達成度を評価する人事評価制度で、近年、多用されるようになってきています。評価期間は年次ではなく、半期、四半期という単位でも構いませんが、あまり多くすると管理が煩雑になる上に、適正な評価が行えなくなるというリスクがあります。
面接制度
上司と部下が仕事の内容や年度目標、業務の進捗状況や業績結果、評価結果、次年度の目標、将来のキャリア等について面接を行い話し合う制度です。目標管理制度と併用して運用されることが多いですが、上司に適切な面接スキルがないと、かえってアルバイトの不満や不安を募らせる結果になる、というリスクもあります。
多面評価制度 (360度評価制度)
上司だけでなく、同僚や部下、他店舗のアルバイト、取引先等からの評価も加えて、多面的に評価する制度です。「部下から評価されていない上司」を炙りだすには効果的と言われています。
評価制度自体をつくることは、従業員のお給料にも関わることなので、非常にデリケートな側面を持っています。「正しい評価基準の策定」や「評価者の評価の正当性」などを考えると、マニュアルをつくりことよりも難しい作業です。制度自体を作るのに数か月~半年掛かることもあるでしょう。
さらに、評価制度がないところから運用に乗せるため、反対意見も必ず出てきますから、2~3回の試験運用が必要となり1年ほど掛かります。さらに店長が正当な評価をできるようになるためには、そこから1年ほど掛かったりと、至難の業です。しかし運用に乗せることさえできれば、間違いなく強固なお店をつくることが可能となります。
自身で学んでみるのも良いですが、先行投資と考え、外部の専門家の方にアドバイスをもらう方法も検討すると良いでしょう。
まとめ
◯◯法、など少し難しい話が多くなってしまいましたたが、いかがでしたでしょうか。そのまま真似をしてもうまく行かないことが多いと思います。
制度は効率よくアルバイトのモチベーションを上げるためや評価するために便利ですが、一番大切なのは「アルバイト一人ひとりを大切にして向き合えるか」です。
まずはアルバイトと対話を増やし、お店を好きになってもらう、安心して働いてもらう環境を作ってあげることから始めてもいいかもしれませんね。