わかりやすいアルバイトのシフト表の組み方!基本的な方法・コツについて解説します
アルバイトやパートが多い業種ではシフト制を採用している企業が多く、従業員の業務効率を上げるためには適切なシフトが必要となります。
シフト表作成業務は、非常に時間がかかり負担が大きい業務です。
実際に弊社(パーソルイノベーション株式会社)が行った調査では、シフト管理業務が抱えている課題の中で、『シフト作成の手間』は第1位でした。
本調査の概要は以下の通りです。
・調査目的:「店舗運営業務の担当者」が感じている業務の難点を調査すること
・調査期間:2022/07/13~
・調査対象:飲食業・サービス業で働いている正社員20~50代
・調査方法:インターネットリサーチ
シフト管理に対して抱えている課題を調べると、以下のようなランキングが得られました。
【シフト管理に対して抱えている課題ランキング】
1位:シフト作成の手間が大きい(22%)
2位:要望調整が大変(20%)
3位:人手が不足している(14%)
3位:シフトの急な変更がある(14%)
5位:各従業員の休憩管理が大変(8%)
また、一方で、ホットペッパーグルメ外食総研が発表している「飲食店経営者のDXに対する興味・関心と導入状況・効果の調査」を見てみましょう。
当調査では、「18歳以上の飲食店経営者」を対象として、デジタルツールの導入状況や、効果実感について調べています。
【各デジタルツールの導入効果実感】
1位:シフト・勤怠管理
2位:人材系の管理
3位:人事労務
4位:従業員の教育
5位:売上・経費
6位:仕入れ
(出典:飲食店経営者のDX(※3)に対する興味・関心と導入状況・効果の調査(2022年3月実施) (recruit.co.jp))
2つの調査結果をふまえると、シフト管理関連のデジタルツールの導入は現場・経営ともにメリットを享受しやすいと言えます。
シフト管理関連のデジタルツールは、現場の工数削減はもちろん「経営数値管理強化」「人手不足の解消」など幅広く重要な経営効果もたらします。
また、デジタルツールを使わない場合、シフト表はただ闇雲に組めばいいというわけではありません。ポイントを押さえて作らなければ、多様な働き方を実現できるシフト制の恩恵を受けることができません。
この記事ではわかりやすいシフト表の組み方のノウハウについて解説していきます。シフト作成の作業が効率化し、上手にシフトを組めるようになることで、売上アップやスタッフの健康など運営にも良い影響を及ぼすことができるため参考にしてみてください。
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この記事を読んでわかること |
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目次
シフト表を組むときの困りごと
いざシフトを組もうとすると様々な問題とぶつかります。シフト管理者がシフトを組む際に頭を悩ませてしまう具体的な問題点について説明します。
期日までに希望シフトが出てこない
希望シフトが集まらないとシフト作成をすることができませんよね。ギリギリの提出になってしまうと、他のスタッフとの調節をすることが難しくなりますし、シフト表の共有も遅くなってしまいます。
忘れているスタッフには催促はするべきですが、「あなただけ希望を出してない」「シフト表が作れないから早く出しなさい」などと強く催促しすぎてしまうと、スタッフとの関係も悪くなってしまいます。
期日には余裕を持たせること、早めに催促をすること、スタッフの目に付く場所に張り紙をして、従業員に意識させましょう。学生がテストや行事、就活などで次月のスケジュールが明確に分からず遅れてしまうことも考えられます。分かる範囲でテスト期間や就活時期について確認しておきましょう。
アルバイトスタッフの希望が偏ってしまう
アルバイトスタッフの希望が偏ってしまった場合は、調整が必要になるので大変ですよね。
シフトの希望以外の日に働いて貰う場合は、スタッフへ勤務日の相談が必要になります。スタッフもすぐに返事を返せるわけではないので、時間がかかってしまいます。
人手不足が解消できなければ、十分なサービスが提供できず売り上げの低下、従業員の負担の増加などのデメリットが多いです。どうしても人手が足りない場合は他店にお願いする必要があるので、早めの判断が必要でしょう。
特定のアルバイトスタッフの負担が大きくなる
スタッフの習熟度や経験など考慮せず、人員を配置することばかり考えてシフトを組んでしまうと、特定のアルバイトスタッフの負担が増えてしまいます。新人ばかりでシフトを組んでないかの確認は当然ですが、各スタッフのスキル面や経験を考慮してバラつきがないようにシフトを組みましょう。時にはあえて人を増やして、しっかり教育する時間を設けて中堅クラスのスタッフを増やせるよう心掛けましょう。
シフトの基本的な組み方
シフトを組むまでにはどのような作業があるのか見ていきましょう!
関連記事 > シフト管理完全版!課題や効率化のコツ。オススメ管理システムをご紹介!
どういうスタッフが何人必要か計算する
スタッフごとに経験やスキルにバラつきがあることは当然です。ベテラン、中堅、新人スタッフがどのくらいの必要かはしっかり計算しておきましょう。ベテランばかり固まると提供できるサービスの質は向上するでしょうが、貴重なベテランの人員を無駄にしてしまいますし、新人が固まってしまうとお店が円滑に回らないことは容易に想像ができると思います。
バランス良く人員を配置することで、常に一定のサービスを提供することができる、スタッフのスキル向上が望めるという観点から、長期的にみるとバランスを考えてシフトを組むことが最良です。まずは、どういうスタッフが何人必要かを計算した上で、経験やスキルを考慮してスタッフを配置しましょう。
アルバイトスタッフから早めに希望シフトを集める
アルバイトスタッフからなるべく早くシフトを集めることで、余裕をもって作成や調整ができます。希望シフトの提出締め切りは毎月固定で設けることで習慣化されるため、自然と集まるようになるでしょう。また、「締め切りは毎月固定で周知されているから、いちいち言わなくても大丈夫」ではなく、毎月早い段階で声掛けも行うようにしましょう。
希望シフトをもとにシフトを調整する
先ほど解説した適正人数や人材の目安と、希望シフトをもとに実際にシフトを組んでいきます。まずは、希望を当てはめ適正人数と照らし合わせながら作成してき、シフトが偏ってしまった場合はスタッフとの交渉が必要になります。
スタッフとのシフトの調整は時間がかかる場合が多いので、ここまでの作業は迅速に行いましょう。手書きやパソコンで入力する場合は細かい作業で時間がかかり、ミスも増えてしまうので、注意が必要です。
人が足りないシフトにヘルプに入ってもらう
どうしても人が足りない場合は他店にヘルプをお願いする必要があります。ギリギリに相談するとヘルプの確保も難しいので、早い段階でヘルプが必要かどうか判断をして相談しましょう。
その際、お店独自のルールが多すぎるとヘルプに来たスタッフが困惑してしまい、次回から断られてしまうということも考えられます。お店の独自ルールがないか、共通のルールが守られているか一度見直しをしておきましょう。
関連記事 >> 複数店舗のヘルプ調整は人手不足解決の”鍵”! スムーズに調整するには?
シフト作成のコツ
先ほどシフト作成の基本の流れについて解説をしていきました。それでは次はシフトの流れを理解した上で、うまくいくポイントについて抑えていきましょう。
売上に応じた人員配置
人件費はなるべく最小に抑えて、最大の成果を上げることがシフト管理者にとっての一番理想ではないでしょうか。場当たり的なシフトの組み方では、それを実現することは到底できません。
繁忙期や閑散日がいつか、人数はどのくらいでお店が回るのかを分析して売り上げに応じた適正な人数を計算しましょう。繁忙期に人が足りなければ売り上げを逃してしまいますし、閑散日に多く人を配置してしまうと、限られた人件費や人員を無駄に消費してしまいます。
アルバイトスタッフのスキルを把握
店長やシフト管理者は各スタッフのスキルを把握する必要があります。従業員の性別、年齢、ポジション(例えば飲食店であればホール、キッチン、洗い場など)、仕事の習熟度、特徴などを把握しておきましょう。スキルが偏っている場合、業務に滞りが発生してしまい、売り上げの低下につながるので気を付けましょう。
アルバイト同士の関係性を把握
シフト管理者はアルバイト同士の関係性もある程度把握しておくべきです。人員やシフトにある程度余裕がある場合は、アルバイト同士の人間関係にも配慮したシフトを心がけましょう。スタッフ同士が仲良く、楽しく過ごすことができれば何も問題はありませんが、性別や年齢、社会的背景も違えば馬が合わない事は当然考えられます。
人間関係のトラブルは職場の雰囲気の悪化ややる気の低下にも繋がりますし、周りのスタッフは気を遣う必要があります。日々の業務の中でスタッフ間の人間関係に注意をしてトラブルや衝突を避けるようにするため、人間関係にも注意をしましょう。
誰にでも見やすいシフト表を作成する
見づらいシフト表は、様々なミスを誘発してしまいます。作成する過程でのミスにも気づけませんし、給与計算の際も計算間違いをする可能性が増えてしまいます。作成した自分は分かるけど、他のスタッフが見づらいと感じてしまう場合もあります。そのため、誰にでも見やすいシフト表を作成する必要があります。
関連記事 >> 簡単にできる!見やすいシフト表作成のポイントをご紹介!
勤務体系が複雑になればなるほど、シフト表の情報量も増えて細分化されるので、見やすいシフト表を作成することは容易ではありません。さらに、作業量が増える分、時間やミスも増えてしまいます。エクセルなどの表計算ソフトを使用しても入力ミスは発生しますし、自分の職場に合うシフト表で作成しなければいけません。
シフト管理システムの導入も検討しましょう
シフトを作成する際には様々な問題点とぶつかり、煩雑で時間がかかる作業が多いです。さらには見やすいシフト表を意識するあまり、手書きやエクセルで何度もシフトを組み直すようでは大きな手間がかかります。またこの記事では基本的なシフトの組み方ということで、様々なポイントをご紹介してきましたが「こんなに考えてシフトを組む時間がない」「負担増えてしまうので無理」と必要以上に不安を煽ってしまったかも知れません。
最後に、シフト管理者の業務を助けて、負担を減らしてシフト管理システムのメリット・デメリットについてご紹介していきます。
関連記事 >> 【12社比較】2021年度最新版|シフト管理システムの導入メリットと選び方は?
シフト管理システムのメリット
希望シフトを一括管理できるので、シフト作成が簡単
希望シフトはシステムを通して集めることで、集めた希望シフトは自動でシフト表に反映されます。
今までの希望シフトをまとめる、表として加工する面倒な作業がなくなります。軽い調整でシフト表を完成させられるので、人員の配置やスタッフのスキル面などに時間を割くことができます。
スタッフ側も自分のスマートフォンから希望シフトの提出や確認ができるというメリットがあります。場所や時間に縛られず希望シフトを提出できるので、シフトの提出が遅くなることを可能な限り防ぐことができます。
人員配置が適切にできコストカットにつながる
シフト管理システムはデータの収集も容易に行うことができます。従業員の勤務状況やシフトの過不足も正確に把握することができるので、効率的にシフトを管理することができます。
各曜日や時間帯の稼働状況や、シフトの希望傾向などのデータも取ることができるので、適正な人数の目安を的確に把握することができます。多すぎず少なすぎず、丁度いい人数が把握することができれば、無駄な人員配置を防ぐことができるようになり人件費を抑えることができます。
シフト管理システムのデメリット
多くのメリットを持つシフト管理システムですが、当然デメリットも存在します。月額の維持コストがかかる上に、シフト管理を紙ベースから電子システムに変更することで、スタッフの中には抵抗感を抱く人が出てくる可能性があります。
導入に際して、採用権を持つ経営層から「コストをかけてまで導入する必要はあるのか?」などの疑問が呈されることも考えられます。シフト管理システム導入の真価は、勤怠状況や日々の適正人数を正確に把握し、人件費を必要最小限に抑えることです。
まとめ:わかりやすいシフト表の組み方!
近年、シフトは手書きではなく、エクセルでシフト表を作成する管理者の方が圧倒的に多いでしょう。
エクセルで作成するといっても、紙の希望シフトやメモを見てからエクセルに打ち込む場合がほとんどです。
手で書く作業がなくなっただけで、やはりシフト表作成は日常業務の時間を大きく割かなければならず、人員配置や人件費管理まで考える大変な業務です。
シフト管理者の業務を助けてくれる便利なシフト管理ソフトは非常にオススメですので、自社に合う規模感のシフト管理ソフトの導入を考えてみてはいかがでしょうか。
中には無料お試し期間があり、機能を試すことができるサービスもあるので、あまり身構えず気軽に調べてみてください。